もんどり仕掛けによるカメの捕獲
~ミシシッピアカミミガメを捕獲する~
最も手軽な方法ではあるけれど...
もんどり仕掛けには様々な形がありますが,カメ類を捕獲するには大型の仕掛けが必要なります。もんどり仕掛けにもカメ専用のものがあります。これは,水深の深い場所に設置してもカメが窒息しないように,筒状の網が長く伸びているものです。丈夫で安心感のあるものですが,かなり高価なものとなっています。カニ網を代用することもできます。こちらは比較的安価で販売されていますので,複数購入して設置することができるでしょう。しかし,カニ網はカメ類専用ではないため,長時間沈めておくと水中でカメが窒息死する場合があるので注意が必要です。ですからカメ類を捕獲しようとする場合,網の上が少し水面に出る程度の浅い所に設置する必要があります。
カメを捕獲する場合の餌は鶏肉が手軽で良いでしょう。これを餌袋の中に詰めて仕掛けを沈めます。あまり長時間沈めておくと,カメが隙間や入り口から出て行ってしまう場合があります。また,カメのくちばしは力強いようで,網に穴をあけて外側から餌だけを食べてしまう場合があります。餌が無くなってしまえばカメは入りませんので,長時間沈めておいても無意味になります。
カメ専用のもんどり仕掛け
カニ網
ゴーストフィッシングの問題
もんどり仕掛は手軽なのが利点ですが,意図しない様々な生き物が混獲されてしまうことに問題があると言えます。アメリカザリガニやウシガエルなどはまだ良いのですが,ウナギやナマズなども誤って捕れてしまう場合があります。また,ミシシッピアカミミガメだけでなくクサガメやスッポンも捕れることがあります。
混獲自体は,目的とする生き物(例えば問題となっている外来種)以外は放流すれば良いのですが,沈めたままのもんどり仕掛けには混獲とともにゴーストフィッシングという問題が発生します。はじめに入った生き物が出られずにいると,それを狙って別の生き物がもんどり仕掛けにはいる,そしてそれを狙って...と放置されたもんどり仕掛けに延々と生き物が入り続けることになります。
しばらく放置されたもんどり仕掛けには様々な生き物が混獲されていました。アメリカザリガニ,ウシガエル,ブラックバスなどほとんどは外来種ではありましたが....
もんどり仕掛けに入り続けるのが駆除対象の外来種だけが入れば良いのですが,実際には在来種も混獲の対象となってしまいます。ですから,もんどり仕掛けは確実に回収することを前提に使用しなければならないでしょう。
もんどり仕掛けは手軽ではあるけれど色々と手間がかかりそうです。こうした問題を解決した方法に浮島型カメ捕獲装置があります。
浮島型カメ捕獲装置について見る >
(2014/10/14 木村保夫)