ベストマンロール
(植生ロール、ヤシ繊維ロール)
ベストマンロールは円筒形のポリプロピレンネットに高密度でヤシ繊維が充填された蛇かご状の製品で、一般的にはヤシ繊維ロールとか植生ロールと呼ばれています。主に河川や湖沼などの水際を浸食から守る土留めとして使用されます。ベストマンロールには専用のヤシ繊維基盤ポット苗(
ルートボール)を植栽することができるので、水際に植物を定着させることもできます。
エスペックミックはドイツにある
ベストマン・グリーンシステム社との技術提携のもと、日本ではじめて植生ロールを導入した企業です。日本国内では既に 20年以上の実績とともに他社の追随を許さない様々なノウハウを持っています。植生ロールやヤシ繊維ロールの使用をご検討されるのであれば、是非、弊社にお問い合わせください。
サイズはφ20cm、φ30cm、φ40cmおよびφ50cmの4種類
ベストマンロールにはφ20cm、φ30cm、φ40cmおよびφ50cmの4種類があり、様々な状況に応じて選択することができます。
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マルチフィラメント・ポリプロピレン無結節ネット
ベストマンロールのネットには強度の高いマルチフィラメント・ポリプロピレン無結節ネットが使用されています。そのため、一般的なヤシ繊維ネットの場合よりも高い密度でヤシ繊維を充填することができるため、高い耐久性を持っていることが特徴です。
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ルートボールを植栽できます
ベストマンロールには専用のヤシ繊維基盤ポット苗である
ルートボールを植栽することができます。ベストマンロールに使用されているポリプロピレンネットの網目サイズはおよそ5cmなので,ルートボールはそれに併せてφ5cmとなっています。植栽にあたっては,ホールソーなどを用いてベストマンロールに穴をあけ,そこにルートボールを圧入します。ルートボールはヤシ繊維基盤ですので,摩擦でしっかりとベストマンロールに固定されます。
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杭丸太に結束して固定します
ベストマンロールの水際への設置は、標準的には杭丸太に固定することによって行います。杭丸太のサイズは、φ20cmのロールでは径6cm、長さ60cm程度のものを、φ30cmのロールでは径9cm、長さ90cmのものをそれぞれ使用します。ここに示した杭のサイズは標準的なもので、実際には杭の径や長さはそれぞれの環境条件に応じて変更する必要があります。杭の間隔は標準的に1m間隔とします。ベストマンロールの杭への固定にはφ4mmのエステルスパンロープを使用します。また、ロールとロールの間も結束し、強度を高めます。結束が完了したら、又釘でエステルスパンロープを杭丸太に固定します。
カゴマットやフトンカゴへの固定もできます
河川の護岸ではカゴマットやフトンカゴが用いられる場合があります。この場合、カゴマットやフトンカゴに直接エステルスパンロープで結束固定します。エステルスパンロープをベストマンロールのネットに2ヶ所ほどくぐらせて固定することで、ロールが横方向に動くことを防止することができます。
ビオトープやせせらぎ水路で杭丸太を打てない場合には
ビオトープやせせらぎ水路で、防水シートを用いる場合、例えばベントナイト系の防水シートの場合可能ですが、防水シートを貫通させて杭丸太を打つことは、やはり漏水の原因となるのであまりお勧めできません。そのため、ビオトープやせせらぎ水路では、
べステック・ロックロールや化繊系のフトンカゴを設置して結束固定をしたり、ジオテキスタイルを底面に敷いて結束する方法を行います。
ベストマンロールを短く加工するには
ベストマンロールは現場の状況に合わせて短く加工することができます。まず、周囲のマルチフィラメント・ポリプロピレン無結節ネットをハサミで切ります。中からヤシ繊維を少し抜き出します。ネットに紐(エステルスパンロープ)を互い違いに通し、巾着袋のように絞って切断面を塞ぎます。こうしてロールを短く加工することができますが、注意点としてロスが生じることです。例えば、3mのロールを半分に切って加工した場合、約1.3mのロールが2本できることになります。どの程度のロスが生じるかはロールの径によって異なり、径が大きいほどロスが大きくなりますのでご注意ください。
河川での使用例
「多自然川づくり」や「自然再生」を行う際、水域と陸域とを連続させる水際の水生植物群落の創出はとても効果的です。しかし、穴をほって土ポット苗を植栽する方法は、しばしば出水が生じる河川環境において有効な方法とは言えません。出水などの物理的攪乱の生じる環境では、植物を何らかの方法でしっかりと固定しなければなりません。そこで有効なのは杭丸太に強固に結束したベストマンロールに専用の植物苗である
ルートボールを植栽したり、あらかじめ植物が植栽育成されている
植栽済みベストマンロールを設置することです。特に、
植栽済みベストマンロールは植物があらかじめ植栽され一定期間以上育成されているのため、現場で
ルートボールを植栽する方法と比べて速やかに植物群落を創出することができます。
湖沼での使用例
湖沼あるいはやや規模の大きいため池などで問題となるのは波浪による水際の浸食です。水際に水生植物群落を創出する際、波浪によってせっかく植栽した植物が流出してしまったり、植栽基盤自体が流出してしまったりすることがありますね。そうした環境条件において、ベストマンロールや
植栽済みベストマンロールは効果的に機能します。ベストマンロールは杭丸太にロープで結束固定されますので、波浪のある環境条件下でも水生植物群落を創出することができます。ここで技術的課題となるのが、ロールの設置高です。波高や水際の法面の勾配によっても異なります。さらに、季節によって水位が大きく変動する環境ではロールの設置高の設定はとても難しくなりますので、こうした場合にはお気軽に弊社にお問い合わせ下さい。
ビオトープでの使用例
池などの低湿地のビオトープをつくる際、水をためるために、一般的に遮水シートを設置されます。この上に客土をしますが、法尻を何らかの方法で固定しなければ法面が滑り落ちる場合があります。ベストマンロールや
植栽済みベストマンロールを法尻の土留めとして用いることができます。ただし、ロールの固定には遮水シートに穴をあけない方法を検討しなければなりません。そのため、遮水シートの外側に杭丸太を打ち、ロールが滑り落ちないように固定する方法や、ネット蛇かごである
べステック・ロックロールを設置して、そこにベストマンロールを結束固定するなど、それぞれの状況に応じた固定方法を採用することができます。設置の詳しい方法については弊社にお問い合わせください。
ゴルフ場の池の補修
ゴルフ場には大小様々な池がありますが、その水際の土留めとしてベストマンロールを設置することができます。小さな池でも時間が経つと水際が浸食されてきます。小さな浸食を放置しておくと,さらに浸食が進み水際が崩落することがあります。特ににゴルフ場では,こうした状況は景観を著しく損ねるため,何らかの方法による速やかな補修が必要になります。
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仕様
- ・円筒形のポリプロピレンネットにヤシ繊維を高密度に詰めた蛇カゴ状の素材です。
- ・鉄線蛇カゴとは異なり柔軟な曲線を描くことができ、植物の植栽が可能です。
- ・河川や湖沼の水際の植生護岸を形成するための土留めや、一時的な植生基盤として、水生植物とともに使用することが可能です。
- ・水生植物苗はベストマンロール専用の水生植物苗(ルートボール)を使用しますが、地域の植物に配慮して現地掘取苗を使用することも可能です。
- ・ポリプロピレン無結束ネットを使用していますので、ネットに結び目がなく、部分的にネットが切れても全体がほつれることがありません。また、このネットは強靭なため、杭による固定の他、ロールを吊り下げることも可能です。
型式 |
直径 |
長さ |
重量 ※1 |
BR203 |
φ20cm(±5%) |
3.0m(±5%) |
3.6kg/m |
BR303 |
φ30cm(±5%) |
3.0m(±5%) |
9.0kg/m |
BR403 |
φ40cm(±5%) |
3.0m(±5%) |
18.0kg/m |
BR503 |
φ50cm(±5%) |
3.0m(±5%) |
28.0kg/m |
※1 重量は参考値です。ロールの重量は含まれている水分の量によって異なります。