ベステック・ロックロールは様々な場所で
使用できます。
ベステック・ロックロールは化学繊維の網でできた蛇篭(じゃかご)です。
一般にはネット蛇篭と呼ばれています。
鉄線蛇篭と比較して柔らかく地形の起伏に柔軟に追随することができます。
ロックロールにはあらかじめ割栗石等が充填されている完成蛇篭であるため、施工性に優れます。
河川の低水護岸として設置する。
低水路あるいは低々水路の河道を可能な範囲で自然な形状にする多自然川づくりが行われています。河川環境では水際の環境の多様性はとても重要で,多様な環境は様々な生物の生息を可能にします。ベステック・ロックロールは旧流路に沿った自由な形状で低水護岸を設置することができます。また,蛇籠ですから小さな魚などが隠れることのできる多孔質環境を創出することができます。
越戸川
埼玉県を流れる越戸川は,以前は直線の掘込み河道で,とても人が近づくことができないような河川でした。埼玉県の水辺再生100プラン事業により,今日では川あそびができる自然豊かな川になりました。越戸川では低水路の護岸部分にベステック・ロックロールが採用されました。
植物の導入に際しては,できるだけ外来種が侵入しないように,
ベストマンパレットが設置されました。
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飯盛川
埼玉県の飯盛川で,拡幅工事において低水護岸としてベステック・ロックロールが設置されました。フレキシブル性の高いベステック・ロックロールにより自然に蛇行する河道をつくることができました。また,あらかじめ石が充填されているため,蛇篭の設置と比べて工期もかなり短縮することができました。
松尾川
大阪府の松尾川ではワンド整備事業において,低水護岸としてベステック・ロックロールが設置されました。
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湖沼の護岸として設置する。
湖沼やため池では波浪によって水際が洗掘されることが問題となっています。こうした状況に対し,コンクリート護岸を設置することもありますが,より自然な湖岸をつくるためにベステック・ロックロールを設置することができます。
岩ヶ池
愛知県の岩ヶ池は農業用のため池ですが,造成後,法面はしばらく裸地であったため,波浪により水際が著しく浸食されました。こうした状況に対し,水際が浸食されないようににベステック・ロックロールが設置されました。2008年の設置からおよそ6年が経過しましたが,水際には併せて設置した
植栽済ベストマンロールとともに良好な植生が成立しています。
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水路の護岸として設置する。
ベステック・ロックロールを多段積みすることで,水路の護岸として設置することができます。高いフレキシブル性により互いの凹凸が噛みあうため高い安定性を示します。鉄筋杭で固定してベステック・ロックロールが動かないようにします。そして,それぞれのロックロールを専用の耐候性PPロープで結束して一体化させます。また,蛇籠と同じ構造であるため,背後からの水を逃がすことができます。
望地用水
神奈川県の望地用水路は水路の老朽化に伴い改修が検討されました。水路の片岸はすぐに急傾斜の山がせまっており,至る所から湧き水が流れ出ていました。
こうした自然環境をできるだけ損ねない方法として,ベステック・ロックロールが採用されました。
ベステック・ロックロールを多段積みにすることで自然に配慮した護岸を造成することができました。設置から既に10年を経過していますが,現時点では護岸の存在が分からないくらい周囲の自然に溶け込んでいます。
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花の木地区水辺環境整備
愛知県安城市では農村環境整備事業によりせせらぎ水路が整備されました。玉石を詰めたベステック・ロックロールは子どもたちが遊ぶことができる池に設置されました。
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河川に中島をつくる。
ベステック・ロックロールを使えば,比較的容易に河川に中島をつくることができます。
ベステック・ロックロールはフレキシブル性が高いため,中島に沿って設置することができます。河川の中上流域で中島をつくる場合には,水衝部には置き石を行ったりするなど,ベステック・ロックロールのネットが転石の衝撃で破断しないように注意する必要があります。また,ベステック・ロックロールが移動しないように,鉄筋杭などで固定する必要があります。
清水川
清水川は岐阜県のJR岐阜駅前を流れる河川ですが,以前はコンクリート護岸の直線的な河川でした。水質は比較的良好でしたが,とても自然という風景ではありませんでした。しかし,2003年に改修がはじまり,今日では,法面にチガヤが,水域にツルヨシが生育するより自然な河川となりました。今から10年以上前の事例ですが,自然再生の好例であったと思います。
清水川では低水路の護岸としてベステック・ロックロールが使用され,水域から陸域に連続する自然な水際が形成されています。
植物の導入に際しては,できるだけ外来種が侵入しないように,
ベストマンパレットや
植栽済みベストマンロールが設置されました。
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雨水排水路として設置する。
一般に丘陵地の公園では雨水排水が必要になり,その場合通常はU字溝が使用されることが多くあります。
しかし,雨水を浸透させても良い場所ではU字溝ではなくベステック・ロックロールを使用することができます。
南部丘陵公園
三重県の南部丘陵公園に設置された水路にベステック・ロックロールが使用されました。ベステック・ロックロールで土留めを行うとともに,降雨時には水を集め,その後,効果的に周囲に浸透させることができます。また,ベステック・ロックロールに使用されている黒色のネットは設置直後から周囲の自然に馴染み,良好な景観を創りだしています。
土留めとして設置する。
蛇籠と同様に重量があるためベステック・ロックロールは法面の法尻に土留めとして使用することができます。
高いフレキシブル性があるため,緩やかなカーブを描く法面に対しても,柔軟に追随することができます。
小田城跡
茨城県の小田城跡復元工事において法面の土留めにφ400のベステック・ロックロールが設置されました。この部分は堀の水際となるため,法尻の浸食が懸念されていました。ネット蛇篭であるベステック・ロックロールを設置することで,法尻の土留めとともに水際部の浸食を効果的に抑制することができます。
生き物の避難場所として設置する。
利水を主目的とする水路では効率や維持管理が優先しなければなりません。これまでの土水路が三面張コンクリート水路に変わるのも,残念ですが,それを利用する人の立場を考えれば致し方がないところです。こうした環境において,少しでも生き物が生息できるようにすることを目的にベステック・ロックロールを使用することができます。
豊岡地区幹線排水路
土地改良事業により三面張の幹線排水路が設置されました。少しでも,生き物の生息に配慮するために,出水時に生き物の避難場所となるようにと,ベステック・ロックロールが設置されました。ベステック・ロックロールはフレキシブル性が高いため,小さなワンドなどの形をつくりました。設置後しばらくして行ってみると,カエルや魚など様々な生き物が隠れていることが分かりました。少しだけ水の流れは悪くなりますが,かなり容易な方法で生き物に配慮することができました。
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落口工への設置
河川改修が行われると,場所によってはコンクリート護岸の直線河道となってしまうところも依然としてあります。こうした場所では,周囲の排水からの落口工にベステック・ロックロールと
ベストマンロールを組み合わせた製品を設置することで,生き物の生息場所を確保できることが分かりました。落口工はコンクリート二次製品であるため,こうした方法で植生を定着させれば,さらに生き物が来ることが期待できます。
ベストマンロールを固定する。
浅い池やビオトープに水生植物を生育させる場合,
ベストマンロールや
植栽済ベストマンロールを使用すると便利ですが,コンクリートの池や防水シートのある池ではベストマンロールを固定するために杭を打つことができません。こうした場合にはベステック・ロックロールを固定資材として利用することができます。
花川戸公園
花川戸公園にはコンクリートでできた池がありますが,そこに水生植物を植栽することになりました。水深は20~30cm程度であったため,φ300の
植栽済ベストマンロールを使用することとなりました。しかし,そのままではベストマンロールを水底に固定することができないため,φ200のベステック・ロックロールを重りとして設置し,そこに植栽済み植生ロールを結束固定しました。
聖牛の重しとして。
聖牛(せいぎゅう・ひじりうし)は河川伝統工法のひとつで,川の水の流れを制御するための水制工のひとつです。
長良川の聖牛
聖牛の重しには従来,竹で編んだ蛇篭が使用されてきましたが,長良川に設置された聖牛にはベステック・ロックロールが設置されました。中詰め材に現地の玉石を用いるため,ベステック・ロックロールは現地で製作しました。
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公園の景観資材として。
自由な曲線を描くことができる玉石を詰めたベステック・ロックロールを公園の景観資材として使用しました。
木曽三川公園
愛知県の木曽三川公園で,ベステック・ロックロールが公園の景観資材として使用されました。中詰材には玉石が充填されています。2004年に設置されまたがが,8年後に訪れてみるとロックロールには植物が生えて自然な状態になっていました。公園施設内ですので,子どもたちが上り下りした可能性はありますが,ネットなどの破損はありませんでした。ベステック・ロックロールの耐候性マルチフィラメントポリプロピレンネットの高い耐久性が示されたと言えます。