シカ(鹿)の食害を受ける立地において、シカ不嗜好性植物による緑化が試みられました。今回、シカ不嗜好性植物として用いられたのはチカラシバです。シカ不嗜好性植物はシカが好まな植物ですが、シカの生息密度が非常に高い場所の場合には食害を受ける場合があります。今回の現場ではシカの糞が多数確認されているこから、それなりの数のシカが生息していることが確認されています。導入したチカラシバも若干の食害を受けたものの、施工からおよそ1年後には植栽範囲の緑化が確認できました。
今回、チカラシバは
種子と苗(
萱株苗)によって導入されました。種子は播種してからおよそ2週間で発芽が確認され、植栽した苗においてもその頃までには定着が確認されました。苗で植栽したチカラシバは植栽から3ヶ月後の2017年10月には開花結実が認められましたが、花茎や種子の植栽は見られませんでした。チカラシバはシカ不嗜好性植物であるとともに、採餌耐性植物でもあると言えるでしょう。